日本には約850万戸もの空き家があります。これは全住宅数の13.6%に相当し、7~8軒に1軒は空き家ということ現実です。空き家は、放置されることでさまざまな問題を引き起こします。
火災や倒壊の危険性が高まり、ごみの不法投棄や悪臭の発生、治安の悪化、風景・風観の悪化などが挙げられます。また、空き家は住宅ストックの無駄遣いであり、地域の活性化や住民交流にもマイナスの影響を与えます。
では、空き家問題はどうやって解決すべきなのでしょうか。この記事では、空き家問題の原因と背景を分析し、国や自治体、民間企業が行っている対策や取り組みを紹介します。また、空き家問題を解決するために必要なことを考えてみます。
人口減少で深刻化する空き家問題
空き家問題は日本の深刻な社会課題のひとつです。人口減少や高齢化、相続登記の不備などにより、空き家の数は増加傾向にあります。空き家は、火災や倒壊、不法投棄などのリスクをもたらし、住環境や風景を損なうだけでなく、地域の活性化や住宅ストックの有効活用にも支障をきたします。
そこで、国や自治体、民間企業などがさまざまな対策を講じていますが、根本的な解決にはまだ至っていません。
空き家対策
空き家問題は日本が直面する重要な社会課題です。人口減少や高齢化により今後も増加する可能性が高い空き家は、放置されることでさまざまなリスクをもたらします。そこで、国や自治体、民間企業などがさまざまな対策や取り組みを行っていますが、根本的な解決にはまだ至っていません。
空き家問題を解決するために必要なことは何でしょうか。一つは、空き家の所有者が自ら責任を持って管理することです。相続登記の義務化や特定空き家への行政指導・命令などはその一助となりますが、所有者自身が空き家を活用する意思と方法を持つことが大切です。
賃賃貸用に改修する、売却する、解体する、地域の活動に提供するなど、空き家の状況や目的に応じた選択肢があります。また、空き家の管理や活用に関する相談窓口や支援制度を利用することも有効です 。
もう一つは、空き家の需要と供給をマッチングすることです。空き家は、住宅需要のある人々にとって有益な資源になり得ます。例えば、都市部から地方への移住者や定住者、低所得者や若者、二地域居住者や観光客などが対象となります。
これらの人々に空き家を提供することで、空き家の有効活用と地域の活性化を同時に促進できます。しかし、空き家の情報は不透明であり、需要と供給のマッチングは容易ではありません。そこで、空き家バンクや空き家再生支援事業などの仲介・支援機関が重要な役割を果たします 。
また、国や自治体、民間企業などが連携して対策や取り組みを推進することも欠かせません。空き家問題は一朝一夕には解決できない複雑な課題ですが、それだけにチャンスも多く秘めています。
空き家を無駄にしないで、住宅ストックの価値を高めることができれば、日本の社会や経済にもプラスの効果をもたらすでしょう。
取り壊し費用を補助する自治体も
空き家の取り壊し費用を減額する対策としては、自治体によって補助金制度が設けられている場合があります。
補助金の対象となる空き家や補助率、上限額などは自治体によって異なりますので、詳細は各自治体のホームページや窓口で確認する必要があります。
補助金を受けるには、事前に申請や認定を受けたり、耐震診断を受けたりする必要がある場合もありますので、注意が必要です。
空き家放置は重大な事故にもつながる
空き家を壊しやすい環境にするというのは、どのようなことをお考えでしょうか。空き家を放置することは、火災や倒壊などの危険性や、景観や衛生の悪化などの問題を引き起こします。
また、2015年に施行された空き家対策特別措置法により、危険な空き家に対しては自治体が所有者に解体や修繕を勧告や命令することができるようになりました。命令に従わない場合は罰則が科せられる場合もあります。
したがって、空き家を壊しやすい環境にすることは、法律や社会的責任に反することです。
空き家の管理や活用に困っている場合は、自治体の相談窓口や支援制度を利用するか、早めに売却することをおすすめします。
空き家対策特別措置法とは
空き家対策特別措置法とは、2015年に施行された法律で、適切な管理が行われていない空き家等が地域住民の生活環境に及ぼす影響を改善するための対応について定めたものです¹。この法律では、以下のような内容が規定されています。
- 倒壊の恐れや衛生上問題のある空き家等を「特定空き家等」と定義し、その所有者に対して、市区町村が解体や修繕を勧告や命令することができるようにした。
- 勧告や命令を受けた特定空き家等の所有者は、固定資産税や都市計画税の減免措置を受けられなくなるほか、命令に従わない場合は50万円以下の過料に課せられる場合がある。
空き家等の所有者や利用者が相続登記や住所変更登記を行うことを義務付けた。
- 空き家等の所有者や利用者が空き家等の管理や活用に関する計画を作成し、市区町村に届け出ることを奨励した。- 命令に従わない場合は、市区町村が行政代執行により所有者に代わって解体することができるほか、解体費用は所有者に請求することができる。
- 空き家等の所有者や利用者に対して、市区町村が相談窓口や支援制度を設けることを義務付けた。
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この法律は、空き家等の所有者や利用者に対して責任と義務を明確化し、市区町村に対しては空き家等の管理や活用を支援する役割を与えています。空き家等の問題は一朝一夕には解決できないものですが、この法律により少しずつ改善されていくことが期待されます。